梅毒ってどんな性病?進行する症状と感染経路、治療について

梅毒ってどんな性病?

「性器に硬いしこりができた」
「足の付け根のリンパが膨らんでいる」
「体に赤い発疹がいっぱい…」

これらの症状を感じた場合は、『梅毒』を発症している可能性があります。
梅毒は、古くから世界中に広く分布している性病の一つです。
治療法が確立されるまでは『不治の病』として多くの犠牲者を出しましたが、抗生物質が開発された現代では、死に至るケースは稀になりました。

とはいえ、近年、日本国内では梅毒の感染者数が年々増加傾向にあります。平成24年に875人だった感染者数が、平成28年では4,559人に膨れ上がったのです。これ以上の感染を広げないためにも、感染が疑われる場合には早期治療を受ける事が何より大切です。

梅毒の症状

梅毒は、治療をせずに放置しているとどんどん症状が進行していきます。最初は皮膚に見られる小さな病変からが始まり、末期になると皮膚が崩れていき、命に関わる重篤な疾患へと変わります。現代では、末期症状にまで達する例はほとんどありませんが、早期治療が大切である事には変わりません。

梅毒には症状の進行状態により、第1~4期までの段階が存在します。ここでは分かりやすくするために初期・中期・後期と区分し、段階を追って梅毒の症状を紹介します。

初期症状

第1期梅毒と呼ばれる段階です。最初に現れる症状は、感染部位に発生する硬いしこりです。小豆大から指先ほどの大きさであり、軟骨ぐらいの硬さを持ちます。この梅毒の初期症状として現れるしこりは「初期硬結(しょきこうけつ)」と呼ばれます。

初期硬結は少しずつ大きく拡がっていき、硬く盛り上がります。さらに中心が潰れて、ただれしまい、「硬性下疳(こうせいげかん)」と呼ばれる状態になります。
これらの病変は基本的には単体で出現しますが、しばしば多発する事もあります。病変部に痛みはありません。

これら初期病変が発生しやすい部位として、男性では冠状溝や包皮、亀頭部、女性では大小陰唇や子宮頸部が挙げられます。
陰部以外にも、口元や手指などに発症する事もありますが、頻度は2~3%と低くなっています。

また、これらの皮膚病変が出現したあとに少し遅れて、鼠径部(足の付け根)のリンパ節の膨張が見られます。大さは指先ほどで、硬く、痛みはありません。両側の鼠径部に数個ほど出現します。

以上が梅毒の初期症状(第1期梅毒)です。これらの病変は放置していても2~3週間で消えますが、自然治癒したわけではありません。1度無症状になったあとに、中期症状へと移行するのです。

中期症状

第2期梅毒と呼ばれる段階です。初期症状が消えてから、約3ヶ月ほど経ってから出現します。初期症状よりも激しい症状が見られます。症状は、発疹や斑点、脱毛、膿など多彩かつ広範囲に見られるのが特徴です。以下、中期症状で見られる症状を紹介します。

丘疹性梅毒疹
第2期梅毒では、出現頻度の高い症状です。隆起した発疹が出現します。大きさは小豆~エンドウ豆ほどであり、色は赤褐色から赤銅色です。
梅毒性乾癬
こちらも出現率の高い症状です。角質の厚い手のひらや、足底に生じた丘疹性梅毒疹の事です。角質がフケのようにポロポロ剥がれ落ちます。梅毒の症状としては、特徴的なものになります。
梅毒性バラ疹
顔面を中心に手足などにもみられる、爪くらいの面積の斑点です。淡紅色をしており、あまり目立ちません。中期症状としては比較的早い段階から見られます。痛みや痒みなどの自覚症状が無く、数週間ほどで消えるため、見過ごされやすいので注意が必要です。
扁平コンジローマ
陰部や肛門に現れやすいイボです。淡紅色から灰白色をしており、湿り気を帯びています。
梅毒性アンギーナ
喉から口蓋(上あご)にかけて腫れや発赤などの症状です。びらんや潰瘍を伴います。
梅毒性脱毛
いわゆる10円ハゲが出来る症状です。頭髪がまばらに薄くなります。
膿疱性梅毒疹
膿の溜まった発疹が多発している状態です。出現頻度は低いとされています。梅毒の悪化によって、全身が弱っている場合や免疫が低下している場合に見られます。

上記した中期症状は3ヶ月~3年に渡って続いたあと、自然に消えます。ただし、治療を行っていない限り、治癒したわけではないので、再発を繰り返しながら末期症状へと進行していきます。

末期症状

第3~4期梅毒と呼ばれる段階です。現代では末期にまで進行する梅毒はあまり見られません。

感染後、3年ほど経過すると「ゴム腫」と呼ばれる梅毒特有の病変が出現します。
ゴムのような弾力を持った腫瘍で、身体の表面だけでなく、肝臓や睾丸、大動脈などにも発生するのが特徴です。ゴム腫同士でくっつき合う傾向があり、大きくなると鶏卵ほどの大きさにまで成長します。
また、梅毒の症状としてよく言われている「鼻が落ちる」といった状態も、ゴム腫の影響によるものです。鼻に発生したゴム腫の影響で、鼻が陥没してしまう事によって、鼻が無くなったように見えているのです。
このゴム腫の出現する感染後3~10年までの期間を第3期梅毒と呼びます。

感染後10年以上経過した梅毒を第4期梅毒と呼びます。
多くの臓器にまで腫瘍が拡がり、脳や神経を侵された状態です。神経が侵された影響から痴呆症のような精神疾患を発症し、人格が崩壊します。手足の痙攣や全身の麻痺も見られるようになり、最終的に死に至ります。

参考:日本性感染症学会誌 性感染症 診断・治療 ガイドライン 2017 p46より

梅毒の原因は性行為

梅毒の原因となるのが「梅毒トレポネ−マ」という細菌への感染です。梅毒トレポネ−マは、低酸素状態でしか生存できず、低温や乾燥にも弱いという特性がありますので、感染経路は限られます。

主な感染経路は、梅毒感染者との性行為です。シンプルなセックスだけでなく、オーラルセックスやアナルセックスでも感染します。また、粘膜同士の接触がなくても、ペッティングによって手に付着した粘液から感染する事もあります。梅毒の感染は、コンドームを装着する事である程度予防できますが、絶対ではありません。

性行為以外の感染経路

性行為以外の感染経路としては「感染者が使用したタオル」などが挙げられます。先述したように、梅毒トレポネ−マは乾燥に弱い菌なので、感染者の使用後に洗濯して乾かしたタオルでしたら特に問題はありません。ですが、感染者が体を拭いた直後の湿ったタオルには、まだ病原体が生存している可能性があります。感染経路になり得るのです。
その他にも、身体を洗うスポンジやカミソリなども感染者の使った直後では感染経路になり得ます。感染者と日用品を共有する場合には、十分に洗ってから使用するのがよいでしょう。

また、梅毒ではしばしば母子感染も見られます。梅毒に感染している女性が妊娠すると、胎盤を通じて胎児に梅毒の病原体が移ってしまうのです。母子感染によって、生まれつき梅毒をもって生まれることを「先天性梅毒」といいます。赤ちゃんの先天性梅毒を防ぐためにも、妊婦健診を必ず受けるようにしましょう。

梅毒の治療

梅毒は放っておくと死に繋がる恐ろしい性病ですが、治療をすればほぼ確実に完治させることができます。
梅毒の治療は、抗生物質の内服を長期間続ける方法によって行われます。現在、第一選択されている抗生物質はペニシリンです。ペニシリンに対してアレルギーのある人には、塩酸ミノサイクリンまたはドキシサイクリンが使われます。

これら梅毒の治療で使われる抗生物質は、通販でも購入する事ができます。病院にいく時間の無い人、病院を受診するのに抵抗のある人におススメです。

治療期間は?

治療期間は、梅毒の症状の進行段階によって変わります。症状の悪化が進めば、そのぶん治療にも時間を要するようになるのです。
抗生物質の投与期間として、第1期梅毒では2~4週間、第2期では 4~8週間、第3期以降では8~12週間が必要になります。

梅毒の検査

梅毒は、感染後1カ月ほどの期間を空けなくては検査が受けられません。梅毒の検査は、血液中の抗体の有無を調べる梅毒血清反応検査によって行われます。梅毒に感染してから、抗体ができるまでに1カ月ほどの時間が必要なのです。
つまり、自覚症状の無い状態で「もしかしたら梅毒に感染したかも…」と思って、検査を受けに行ったとしても、感染原因となる行為から数日しか経過していない場合には、正確な結果が得られないのです。

検査はどこで受けられる?

梅毒の検査は、全国の保健所または医療機関で受ける事ができます。
保健所では、梅毒の検査を無料で受ける事ができます。しかし、保健所の中には梅毒の検査を行っていない所もありますので、事前の確認が必要です。
医療機関で検査を受ける場合には、男性であれば性病科や泌尿器科、女性であれば性病科や婦人科を受診しましょう。

梅毒は早期治療が大事

梅毒の初期症状は、陰部周辺に見られる硬いしこりや鼠径部の腫れです。放置しても、これらの症状は消えますが、治ったわけではなく第二段階の症状が現れるまでの潜伏期間に過ぎません。
梅毒を悪化させないためには、この初期症状のうちに治療を受ける事が大切なのです。

梅毒の主な感染経路は性行為ですが、稀に感染者の使用したタオルなどの日用品からも感染する事があります。梅毒の感染に心当たりがなくても、疑わしき症状が出ているならば、検査を受ける必要があります。

梅毒の治療は、抗生物質の長期間の内服によって行われます。現代では適切な治療を受ける事でほぼ確実に完治させる事のできる性病ですので、放置せずにしっかりと治療をしましょう。



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